おもろさうし 原文



おもろさうし:言葉間書(五十音順)

 

 仲吉本原文の言葉間書き(原文の注釈)を五十音順に記載します。言葉間書きは、おもろさうし原文の横に原文より小さめな字で書き込まれています。言葉間書きには、送り仮名が少なく、今日の人には読みづらいものがありますので、適宜に送り仮名を補充しました。送り仮名は、現代仮名遣いを用いました。やや不自然かもしれませんが、せっかく先人が原文の意味を書き残そうとしているのですから、注釈が読みづらくては意味がありませんので、出来るだけ読みやすいようにと心がけました。同時に原文を最大限に尊重しています。言葉間書きは、もちろんすべてが正しいわけではありません。今日のおもろさうしの研究からすれば、明らかに間違った解釈が多数見られます。それらは、現代語訳、混効験集、その他の研究書を参考にしてください。さらに、歩を進めて自ら研究を深めて頂ければと思います。

 なお、言葉間書きは、文字通りおもろさうしの原文の間に書き込まれた注釈です。それが、どの言葉の注釈であるかは、明確には示されていません。ただ、間に書き込まれているだけです。したがって、どの語の注釈かが判別できない場合があります。筆者が解釈せざるを得ませんでした。また、2行以上にまたがっての注釈の場合、それがどの語の注釈かの判別ができませんので、2行以上の注釈は省略しました。

 言葉間書きは、ほとんどが草書で書き込まれており、判読が困難な場合、仲原善忠・外間守善共著、校本おもろさうしを参考にさせて頂きました。ここに明記して深く感謝申し上げます。

 同じ語が何度も注釈されている場合があります。少しでも表現が違っていれば、出来るだけ書き留める事にしました。

 漢字で始まり、その漢字を何と読むかの判別が難しい語句は、最後に記載いたしました。 

 漢字は原則として新漢字を使用しました。

 

  あ

 

あいちへ  相手

あおしよ  青色の衣なり

あおりや  国中の森の異名也

あか  我也 我が也 わが わか

あかくちや  火の神也

あかす  清ら

あかなさかおより  わが父が御為と云うことなり

あかのおゑつき  あかいんこ之事

あかるい  東を差していふ

あかるもちつき  かつれんのあまわりおなちやらを申すなり

あぐみ  かなしや也

あけしの  神人也

あけとま  明朝也 明日之事

あけのみそ  赤き衣の事

あけまとし  明ける年にならば言う 来年にならばといふ事 明ける年ならばといふ

あけもと  あかつきの事

あけもとろのはな  早朝咲く花の事

あける月  来月の事

あさとら  早朝の事也

あさとれ  あさ無風なり 朝風閑(しずか)之事 朝風の閑かと云うなり

あさどれ  朝無風

あすた  あの人之事

あすもり  さやはたけの事也

あつる  有るといふ事なり 有る也

あとゑて  集めて也

あはれ  余りの也  

あはれまへゑくか  天晴(あっぱ)れ男と云う事なり

あふなみ  大涛(おおなみ)之事

あふらちへ  やらち也

あまこ  肝也

あまこあわちへ  相互に目とめを見合わせ対面する事なり 目とめと見合わせる事なり

あまこよりかわちゑ  御肝合わちと也

あまのそこらしや  こらしや  

あまへ  御日の御子 そのてたの祖父

あまへて  競(いさむ)なり

あまみや  昔に むかしの事なり

あまみやから  むかしからと云う

あまやかせ  嬉しく競(いさむ)之事なり 打ちはり遊び事

あまよ  善世(ぜんせ)之事 能

あめとどろ  行幸の御時天地も震動するやに有るとなり

あやくも  雲を譬えていふ也

あやこ  をどり

あやつつみ  遊び鼓(つづみ)

あやてうちちへ  おもろ仕り候時つつみにて拍子打つ事也

あやのみやし  筵(むしろ)の事

あやはかね  太刀之事

あやみや  清ら庭 清ら庭の事なり

あゆ  肝也

あよ  肝也 肝の事

あよがうち  肝が内なり

あよくちや  火の神なり

あよで  歩行なり

あらとみ  舟也

あわちへ  会う

あん  我也 我か 我に

  

  い 

 

いきや  行くか

いきや人  行く人也

いきやへ  参り会う

いきやる  君に快く仰せられる也

いきよい  行く也

いきよて  行き合う也

いくさも  恵祖てたの幼少の御名なり

いくまちへ  轟(とどろか)事 轟(ほとばし)る事

いけな  勝る世界也 世界也 世界の事也

いしかね  長命の事なり

いしらこ  石垣の事なり 石垣也

いしらご  石垣の事なり

いしゑけり  勝り也

いせゑけり  勝り也 ほめたる言葉 器量よきといふ事也

いそいして  あらそいて也

いたきよら  船をいふ 舟の異名なり

いちへき  器量勝れたると云うなり すぐり

いぢへき  勝る也

いちへみ  泉

いちやきよら  舟の異名也 舟也

いちやす  出だす

いちやちへ  いだち

いちやちやくち  戸口

いちやぢや  門也 板門の事

いちらこ  人名也

いちろく  首里天かなし行幸之御事

いちゑ  行きて也 行く

いちゑき  賢き器量勝れたる美称なり 賢き器量勝れたる云う

いちゑたる  出たる

いつこ  臣下也

いなくに  八重山嶋の異名 (※与那国?)

いにやくに  八重山嶋の異名也 (※与那国?)

いみや  今の事 今といふ事也 今といふ事

いやいや  はやすなり

  

  う

 

うききよら  舟也

うきしま  那覇の事なり

うきはわ  祖母也

うきはわ  祖父也 (※祖母?)

うきおほち  祖父也

うけよろ  舟の事也  (※請島、与路島?)

うちたか  人名也

うま  馬也

うらうらと  座敷愛褺(あいちょう)しと云う

うらきれて  みぶしや也

うらはり  舟の事

うらやみよる  羨ま敷く

うれしこ  人名也

うゑたび  始めて旅に行く事也

 

  お

 

おいちへ  順風也

おいちゑ  順風也

大きみややちよ  与論の大や屋敷の事なり

けたうはる  読谷山間切の名所なり

大ころ  大男

大ごろ  大男也

ころた  人名也

大にし  読谷山の事

大ぬし  首里天かなし美御前の御事

おきおふぢ  祖父也

おきん  宇堅也

おくのみよう  海之深き所なり

おこと  思う事也

御さうせ  御了簡也  思慮の事也

おさは  脇差之事なり

おさん  遠くをみおるして也 遠くとみおるして也

おしたて  やらち也

おしやたる  押し寄せる

おてつから  御手自ら

とぢや  兄弟をいふ

おなおさ  世のため也 所により其の人の為と申す事も有る

おにわし  誕生之子がなく事 鬼鬼わしわしとする事に云いかけたそ

おほつ  空也

おぼつ  天地とまち也

おみかう  御顔の事也 御顔なり 顔の事なり

おもかしや  めづらしや也

おもとたけ  八重山嶋おもとたけの神之事也

おより  世のため也 所により其の人の為と申す事も有る 御為也

おゑぢ  順風也

おゑちへ  順風也  

おゑぢへ  順風  

おわるてて  御座するなり

 

  か

 

かいなて  掻き撫でという事

かいふた  伊江嶋の事なり (※与論島?)

かか  輝か也

かが  輝く也

かかちよわれ  かがやくといふ事也

かくら  空也

かこへ  佳声  

かさなおり  風なふりなり

かせむかて  船の向かい風にも行き馳せるをいふ也

かち  向かてといふ事也

かなちや  門也

かなぢや  かね門の事

かなちやくち  戸口

かなひやふ  今帰仁の異名なり

かなや  空也

かほう  母親之事也

かまへ  御貢之事なり

かまゑ  上納之事 昔はかかないと申して人の頭のほど稲一たばりづつ上納之有りた

     る由也

かみしもの  家諸々の也

かみにしや  人名也

 

  き

 

ききおひ  帯也

きちへと  聞きてと

きちやらたけ  おもとたけの異名

ききやれ  聞こ得也

きまのしゆ  人名也

きみ  禰也

きみつかい  舟の名なり

きみつほ  御座之事

きみつり  御拝の事

きみのもちつき  かつれんのあまわりおなちやらを申すなり

きみはい  のろ大神也

きもたか  心高き云う

きや  京也

きやがす  近くよるなといふ事

きやかる  吉日也  吉日の事なり

きやのうち  御城京のうち之事

きら  嶋也 しま也 世界

 

  く

 

くせせりきよ  おなりかみのかいし言葉也

くせはかね  太刀之事

くなべ  並ぶといふ事

くにつぼ  御城殿中之御座之事也

くにのうきくも  按司也

くにのたたみきよ  按司也  

くむこ  成る程見事成る云う

くむさうす  井之事也

くも   扱む (※汲む?)

くもいつちへ  雲の上に付く

くもこ  見事成る云う 見事成ると云う事なり

くもこたつな  手綱の事

 

  け

 

けお  今日也 今日 今日之事

けおのあけだち  今日の曙(あかつき)の事をいふ

けおのあけとま  今日の曙(あかつき)の事をいふ

けさ  昔也

けに  実に

げに  実に

けらへ  能き也 誉るなり 佐事之事

 

  こ

 

こいしの  神人也

こかねちやちよく  金の盞(さかずき)之事

こかねとみ  舟也

こしらゑ  人名也

こなけ  こなへ也

このとう  洋中の事なり

このゑか  此の嶋也

こはしま  久高津堅しまの事なり

こまさ  よしといふ事なり

こむて  両手を〇〇事   (※〇〇判読不可)

こむで  両手也

こや  乞う也

これる  是となり

ころ  男也

ころころ  男男

ころた  百姓男之通称也 ふむる也 男の人の名也

こゑしの  名人之事

 

 

さうす  清水也 寒水の事也 寒水川なり 寒水

さうせ  思慮也

さかな  肴(さかな)也

さかやかせ  嬉しきと言う事なり

さきよた  読谷山の事 読谷山之事なり

ささけ  貢なり

ささらなみ  小浪の事

さしふ  神人 神人之事なり

さすかさ  きみの事 神之事なり

さに  算也

さにしらぬみおね  数しらぬ舟を

さふろく  人名也

さふろこ  人名也

されされ  除(の)かといふ事

 

  し

 

しうこもい  人名也

しけち  神酒なり 神酒之事なり 神酒之事

しげち  神酒

したたりや  具足はら巻之

しなて  和睦の事也

しねりや  むかし也

しねりやから  むかしからと云う

しまうち  軍をして嶋をうつ事也

しまうちとみ  舟也 舟の異名也 舟の名の事

しまかいのち  万々世まで長久に御座有れと祝へて云う事也

しまとつけ  船の名也

しまがのちみおやせ  万々世まで長久に御座有れといふ事也

しらたる  申したるといふ事也

しろちやね  稲之事 爪(のぎ)生い茂りたるを云う  

 

  す

 

すかま  八つ内はすかまとい

すじや  臣下なり 都で世の人をいふ也

すつなり  神の事也

すつみ  行水也

すてみつ  おふ川の水を撫でる事也

すでみつ  佐敷小按司おほ御水の事也

すで物  誕生之事

すへとめて  国求めて也

すむさうす  清水井の事なり

すら  舟作り場の事

するき  筵帆之事

すゑ  舟作り場の事

 

  せ

 

せあら  勢軍の事也

せいひやこ  勢軍也

せいやりとみ  ふね

せくさ  勢軍

せこさ  勢軍也

せじ  皆々也

せひ  勢軍也

せひやく  軍勢也

せらに  致すといふ事なり

せりうとみ  舟の事

せりきよ  人名也

せるまま  火の神の異名也 火の神

せるむ  おもろ之事也 おもろ也

 

  そ

 

そこて  ふこて也

そこて  行き合う也

そこらしや  嬉し

そさん  波也 波の事

そない  和え物也

 

 

たう  唐

たうのし  人名也

たきやむ  海の事なり

たけ  たけつぼの事

たけかくまもと  峯の麓(ふもと)の事なり

たけのすなり  母親之事所によりてかく申す事も有る

だしま  此の嶋の事

たたみきよ  按司のかへし名なり 按司の替え名也

たつな  手綱也

たなきよら  舟の異名なり 船の異名也

たまき  刀之事

玉くみきや  むながいかけてといふ事也

玉しりきや  しりがいかけて(と)いふ事也

たまの  きよらかの事

たまのみうち  つれん城之内に有る

たまはしり  戸の美称を云ふむ きよらかなるはしろの事也

たまめつら  きよらさといふ事なり

たよりなちへ  平らげてなり

たる  誰かと云う事

 

  ち

 

ぢやくに  能き国といふ事

ぢやなのあさ  人名なり

ちよらの  種等也

ちよわちへ  御座すの事也

 

  つ

 

つかさ  赤田御門の御嶽の事

月しろ  御月の事

月しろ  苗代の大や庭に御座有る霊石之事なり

つくしちやら  かねまる御腰物異名也 太刀也 宝剣手金丸の異名なり

つち  土也

つつみ  有る也

つぼ  御座也

つほこ  相手

づれ  何れかと云う事

つれしま  久高津堅しまの事也

 

  て

 

ておのいと  馬の腹帯也

ておりとみ  舟之名なり

てかち  楫の事 梶取之事 か子之事也

てくらん  天願村の古名なり

てた  首里天かなしの御事

てたこ  首里天かなしの御事也

てとこんの大やこ  昔大唐へ初めて参りたる人のよしなり

てとりと  船の名所なり

てよりとみ  舟也 舟の異名也

てりよる  日月のてるように也

てるかは  てたの事 てた也 御日の事

てるしの  御月之事

てにつき  王かなしの御事也

てわん  我也

 

  と

 

十いろ  十尋(とひろ)

とか  十日

とかい  十度也

とかでゑは  十日では也

とこいちへ  十声八声しちへおがまと申す事あれば御物語申し上げ拝むと云う事なり

とこへ  十声

とどやちへ  とどめて也

とまに  言葉の緒也

ともまさり  船の名也

とももそ  千人也

とよたし  人名也

とよむ  嶋世の有る迄と也

とり  鳥

 

 

なおう  何也

なおさ  御為なり

なおり月  来月の事

なかへ  万々歳まで清らか目出度くいふ事なり 

なかへつちへ 空に付く

なごやけて  柔(やわら)げて也

なさ  父也 父の事なり

なさい  父也 父親也 父親之事也

なさいきよ  父親之事也

なさいきよも  時の主上の御事也

なな  七人也

ななそ  七十人也 七十

ななそゆみもたちへ  七十人に弓をもたせてなり

なはん  なんばん也

なみかせなこやけて  浪風やはやはとなる事也

なみしぐいまちへこかせ  首里天かなし美御前東〇行幸之御時知名安座真之潟などに

              て御轎夫ども潮をけやげて御轎(おかご)を上げ行く事也

なむちや  くらをほめていふ言葉也

なよ  縄也

なよら  こねり也

なよれは  鼓にておもろ之拍子を舞うの内情之事也

なりきよ  世界也 世界の事也

なりよふ  鼓の異名也

なりよも  人名也  

なわしるのちや  苗代の大や門の事なり

なわしろの大や  此の人佐敷小按司の御父なり 

 

  に

 

にかよう  悪世(あくせ)之事

にし  西

にせたれ  申せといふ事

にるや  空也 天のこと也

 

  ね

 

ねはのおゑつき  あかのゑつきの替え名也

 

  の

 

のたてれ  申し上げる也 のままに云う

 

 

はししよわちへ  たよりしてなり

はさめ  越し 

はた  二十

はたらしま  八重山嶋の異名也

はつ  初也

はねうち  子が手足差し上げ勤めはたらく事をいふなり

はやくはりそい  早くはせよりといふ事

はやみちや  馳せる馬也

はやもと  舟の名の事

はらら  いくさ也 いくさなり

はりやに  行ぬう

はらはら  いくさ也

はゑ  南  

 

  ひ

 

ひじめ  治める也

ひちめ  治世の事也

ひちめかちへ  月出でて山の端をなり映して

ひといちよ  人名也

ひやくさ  勢軍

ひやし  拍子之事 拍子

ひやしのつちうたは  神世の時御遊びに手ひゃうしと申して拍子打つ事也 只今神楽に 

           用い候小はち也

ひらたみちゑりきよ  ものかしらの人の事なり 物頭の人之事なり

ひるぬし  人名也

 

  ふ

 

ふなこ  か子也

ふなもと  舟の名の事

ふれしま  皆々也 皆々をいふ事也 惣様之ことなり

ふれたか  飛ぶ鷹のこと也

 

  へ

 

へた  海之事

へらいほしや  会い合わして居度(いた)いとなり

 

  ほ

 

ほこり  嬉しやする事 慶の事

 

 

まいと  真苧(まお)

まう  飛ぶ

まうれしや  真うれしや

まお  真苧(まお) 

まから  赤さ

まきよ  牧也

まこち  東風也  

まころ  真男也

まころく  人名也

まこゑし  人名也

まさの  実の 正にと云う事也

まさりきよ  人名也

まさりとみ  舟の事也

ましらこ  石垣の事

ましらご  石垣の異名なり

ましろ  白さ

ませ  しま也 人の筋目真筋といふ事也

ませとめて  国求めて也

またよもい  思い子也

またらひ  人名也

まちらす  くしかわの返し言葉なり

まちゆ  真糸之事

まとうさ  間の有る事

まにし  西風

まぬの  布帆の事

まはえ  南風の事

ま物  男子之事

まやいとみ  舟也 舟の事

まやゑて  寄り合いてなり

 

  み

 

みおうね  舟也

みかう  御顔也

みかをあわちへ  向かう顔の事なり 

みかなしのてだ  首里天かなし美御前の御事

みきや  三日

みきやう  向かう顔の事也 面談也

みきやうあわちへ  目とめと見合わせる事なり

みきやはさめ  三日間有り

みこし  御太刀也

みささげ  献上物之事

みしやく  神酒之事

みしやこ  能かると云う事也

みしよ  三十

みちへ  見て也

みちや  土也

みちやる  拝むといふ事

みちゑ  見て

みちゑと 見てと

みてつから  御手自ら

みてもい  人名也

みねまくびり  大中津嘉山御殿に有る小坂と云う也

み物  妙(たえ)に誉めるなり

みやけほしや  ほしやなり

みや  庭  

みるめ  眼前之事也

 

  む

 

むか  昔也

むかうとし  明年の異名なり 明年異名なり

むぎや  麦也

むつき  神人の異名なり さしふ也 さしふの事

 

  も

 

もたい  栄へる

もだいきよ  人名也

もちろ  清く遊びなり

もちよる  清らかなる事 きよらさの事なり

もつき  神人異名

もも  百

ももしま  国中

ももそ  百人也 

ももちやら  国々の按司の事 女按司は今をなちやらと申す是也

もりあいこた  人名也

もりやへ  男人也

もりやへ  人名也

もりやゑ  人名也

  

  や

 

やくめ  恐ろ敷く斟拶の事  (※斟拶は斟酌の事か)

やくめさ  恐ろ敷きなり

やぐめさす  ろ敷く斟拶する事  (※斟拶は斟酌の事か)

やこへ  八声

やころ  矢也

やしろ  日本国の事なり 日本也

やそ  八十

やちよく  嶋のかしらかしらの女房 位が衆の妻

やちよこ 間切のおゑか人の女房の事也 嶋のかしらかしらの女房の事なり

やぢよ  嶋なり

やに  様に也

やねの年  来年の事

やべら  家内之事

やほら  出帆の事

やまき  山内の小名なり

やまのくにかね  やまのかみの事也

やももそ  八百人也

やらいとみ  舟の名

やり  戸也

 

  ゆ

 

ゆきあて  行き合う也

ゆしらめ  しらめといふなり 此字は言葉の結び〇

 

  よ

 

よいねは  人名也

ようとら  夜入時の事也

ようとれ  夕無風なり 夕風閑(しずか)之事 夕風の閑と云うなり

ようどれ  夕無風

よきちへ  行く

よきやて  行き合う也

よしられ  申し上げる也

世そう  世おそうと云う心なり

よせ  参上といふ事也

よそう  世おそう事なり

世そう  世添ふ

よとしよわちへ  少し滞在して

よなみねの大や  苗代大やの事なり 苗代の大親の事なり

よひきとみ  舟也

よもつとて  世の肝要成閥といふ事也

よらちへ  すばといふ事

よりかしや  人名也

よりやげ  干瀬崎の事也

 

 

わかいへきよ  人名なり 

わかきよ  人名也

わかいきよ  若い人也

わかみ  児の事

わくさうす  泉する川なり 泉なり 寒水

わちへ  行き合う也

わらいきよ  人名也

 

  ゑ

 

ゑか  しま也 

ゑかとり  時とる事なり

ゑけり  女の男兄弟を云う也

ゑそこ  舟也 舟の異名也 舟の事

ゑらふ  明けの月の事

ゑんけらへ  祖父也

ゑんざしき  同座敷といふ事

 

五十音外

 

やぐら  くらをほめていふ言葉也

すへ  美称の言葉 末は子々孫々の御事也

天つき  天次ぎ王かなし也 尚清王かなし神御名也 王かなし也

天ととろ  行幸の御時天地も震動動するやうに有るとなり